リクルートサイトとは、採用のためのウェブサイトです。コーポレートサイトとは異なります。最近では採用難からリクルートサイトに力を入れる企業も多くなってきました。本記事ではリクルートサイトとはといったところからどのような方法があるかなど紹介していきます。リクルートサイトを導入すべきかどうかまでの判断材料になれば幸いです。
求人情報をウェブ上に掲載する必要性
中小企業の企業からよく人が集まらない、そもそも応募が来ないという声をよく聞きます。担当者の方にどのような求人方法を行なっているか話を聞くと、ハローワークに求人を出しているだけ、新卒はマイナビリクナビに求人を出しているだけ、のような企業が多くあります。
それでは求人が来ないのも当たり前です。求人は求職者に向けて企業を宣伝していく活動で、商品やサービスを顧客に宣伝していくのと同じような心構えで宣伝活動していく必要があります。いくらいいものを作っても知ってもらえないと売れないのと同じで、御社がいくらいい企業であり、働き方整備を行なっていたとしても知ってもらえないと応募には至りません。
会社で働くということは自分の人生の多くの時間をそこに費やすということであり、求職者にとっては自分の人生を左右する大きな意思決定を行わなければなりません。企業側はそこへの意識を丁寧に持つ必要があります。
ハローワークに求人票だけ出ている場合、会社名と条件しかわかりません。どんな外観や内観の会社なのか、どんな人が働いているのか、全くわからないまま多くの場合知らない会社名の会社に条件だけ見せられている状態になります。
一方リクルートサイトなどを作っていて、会社の想いや、具体的に何をしている会社か、どんな職種があるのか、向かっていく方向性、働いている人の様子、福利厚生や研修制度などがわかりやすく掲載されていれば、求職者は安心して応募ボタンを押すことができます。
求職者の行動パターンの多くは、ハローワークや求人サイトなどからまずは求人を探して、例えば良さそうな企業が3社あればほとんどの求職者はこの3社について検索をかけます。自分が転職しようと思っている会社のことはできるだけ多く調べたいというのは当然の原理です。
そして、3社検索した結果、A社はサイトがないあるいはめちゃくちゃ古い、B社は簡単な募集要項だけ載っている採用ページ、C社は社員のインタビューや会社情報が十分に載っているリクルートサイトがあった場合、まずA社は情報が少なく検討から外れる可能性も高いでしょう。B社とC社を比べるとまずC社の応募して面談を受ける確率が高いのは言うまでもありません。
つまり、サイトがそもそもなく、求人票だけの場合、比較検討にさえ乗らない可能性があります。サイトがある場合はより見栄えや内容のいい会社が応募の順位が高くなります。
なぜなら実際にその会社の話を見てるわけでも聞いているわけでもなく、サイトに載っている情報でしか比較検討できない場合、その情報が全てになるからです。実際はA社が一番働きやすい環境だったとしてもそれは求職者には伝わりません。
求人情報を掲載する方法
採用情報を掲載する方法は主に3つあります。
1、採用サービスを利用する
2、コーポレートサイトに採用情報ページを追加する
3、リクルートサイトを制作する
これら3つの方法についてそれぞれ簡単に説明していきます。
1.採用サービスを利用する
例えば多くの求人情報を掲載しているエンゲージやAirWorkといった求人サイトは、登録をして求人情報を入力していけば求人サイトに求人情報が掲載できるのと同時に求人サイトのようなページを作成することが可能です。簡易なもので費用もかけたくないという場合にはこうしたサービスを利用するのも手です。
ただ、筆者も利用してみたことがありますが、無料で利用できる代わりに求人サイトの運営元から求人の掲載についての営業メールや営業電話がそれなりにかかってきますので注意が必要です。

2.コーポレートサイトに求人情報ページを追加する
会社そのもののサイトであるコーポレートサイトに求人ページを追加して求人情報を掲載する方法です。1の採用サービスを利用した場合に比べて、コーポレートサイトでしっかり会社の情報を伝えた上で、求人内容を掲載できるため、より求職者に対してリッチな情報を届けることが可能です。

3.リクルートサイトを制作する
最近多くなっているのがこのリクルートサイトの制作です。コーポレートサイトとは別にリクルート専用のサイトを制作します。コーポレートサイトにリクルートページを1ページつけただけのものよりも多くの情報を届けることができ、より求職者の応募へのハードルを下げ、応募を獲得しやすい方法です。

専用のリクルートサイトを制作するメリット
採用専用のサイトを制作するメリットはもちろん求職者の応募に繋げやすいからですが、応募に繋がりやすい理由として3点あります。
1、サイト全体を求職者ターゲットにメッセージ発信できる
コーポレートサイトはその会社のお客様や関係者などのステークホルダーに向けた情報提供で、リクルートサイトは求職者に向けた情報提供です。そのため、伝えるべき内容が異なります。コーポレートサイトは例えばファーストビューという最初の画面のキャッチコピーで、弊社はこういう会社ですというコピーだと思いますが、コーポレートサイトだと一緒に働きましょうみたいなコピーのイメージです。
コーポレートサイトだとサイト全体は会社のイメージを映すようなデザインや写真を使いますが、リクルートサイトは求職者に向けた柔らかい、楽しそうな、人の様子がよく見えるデザインを採用することが多いです。
また会社内容を伝えるにしても、コーポレートサイトだと顧客に向けてこういう会社の特徴がありますと伝えると思いますが、リクルートサイトだとこういう仕事で、こういう働きやすいポイントがありますなどの表記になります。
つまりコーポレートサイトだと会社の概要を顧客等に向けてわかりやすく説明しますが、リクルートサイトの場合は、この会社で働くことのイメージやメリットなどに特化して内容を表現することで、求職者に向けたメッセージをしっかりと届けます。
2、コンバージョンを応募エントリーへと繋げることができる
コンバージョンとはサイトのゴールのことですが、一般的には問い合わせや資料請求のことを指します。コーポレートサイトだとお問い合わせフォームに誘導することになりますが、リクルート専用のサイトですと「エントリーする」というボタンを常に表示し、エントリーフォームへの誘導をメインで行うことができます。コーポレートサイトだと顧客からの受注などが優先されますが、リクルートサイト専用だと応募までの道筋を最短で訴求することが可能になり、応募数を増加させやすい設計が可能です。
3、十分な情報を届けることができる
コーポレートサイトに採用情報1ページのみつけたページですと必要最低限の情報しか載せることができません。求職者の多くは自分の人生をかけて企業を比較検討していますので、情報は多ければ多いほうが求職者にとって安心です。働くまでその会社の本当の姿は分かりませんので、サイト上の情報が求職者にとっては全てになります。専用のリクルートサイトがあると、リクルート情報だけで複数ページ分の情報を届けることができます。会社の内容や、仕事の内容、働いている方のインタビュー、上司のインタビュー、福利厚生や研修制度などです。特に離職理由で多いのはキャリアアップや人間関係ですので、キャリアイメージやどんな人が働いているかなどがしっかり表現されているサイトの方が応募が多い傾向にあります。


専用のリクルートサイトの例
重藤組
コーポレートサイト https://shigeto.co.jp/
新卒リクルートサイト https://shigeto.co.jp/recruit/
リクルートサイトの費用対効果
リクルートサイトで費用対効果はあまり考えないかもしれませんが企業活動して投資をする以上費用対効果の意識を持つことは重要です。
リクルートサイトの目的は採用ですから採用コストに対しての費用対効果を検討します。
考え方としては、基本的にはそれによって得られる利益との比較ですが、代替手段と比較した場合のコスト比較も考えられます。
1、損益効果
リクルートサイトの損益効果は採用ですので、採用した人一人によって得られる利益が効果になります。例えば少なく見積もって、採用サイトがなければ採用が0だった会社が、採用サイトによって年間で1人だけ採用できたとします。採用しようとする会社は人を雇えば追加の利益が得られる見込みがあるから採用するものだと考えます。
1人あたり人件費を除いた会社への利益貢献としては年間で100万円以上は当然見込まれるはずです。一人当たり毎月たった10万円の利益をもたらせば120万円です。御社の業種業態で1人あたりの利益額を計算してください。
そして、リクルートサイトの制作費は100万円前後です。つまりたった1人採用できればそれでリクルートサイトへの投資はペイすることになります。
サイトは一年ごとに作り直すわけではないですから、例えば5年そのサイトを使うとすると、制作費100万円だった場合、5年で割ると1年あたりの費用は20万円になります。採用した1人が年間20万円の利益を出していればペイという考え方もできますし、
思ったほど採用ができず、5年間で1人しか採用サイトから採用できなかった場合でも、採用サイトの費用はペイすることになります。
つまり採用サイトがない場合に比べて採用サイトを100万円程度かけて制作した場合、この採用サイトへの投資コストの回収は非常に容易で、投資効果の高い投資であると言えます。
例えば住宅販売や車のディーラーなどビジネスによっては1人あたりの利益が数百万円〜のビジネスで他のビジネスに比べてすぐに投資回収が可能で、それ以上の利益を生むことになると思います。
2、他の採用方法と比較した場合のコスパ
例えばエージェント系のサービスを利用すると、年収の30%や35%を紹介手数料として紹介会社に支払わなければなりません。年収400万円の人を一人採用すると、120万円〜140万円の支払いが発生します。3人採用すると3人分必要ですので、360万円〜420万円の支払いになります。
一方採用サイトから応募があって採用に至った場合、サイト製作費のみの支払いですので、何人採用しても製作費の100万円前後の支払いで終わりです。
まとめ
採用専用のサイトは大企業が多く作っていて中小企業には手が届かない、それほど予算をかけるほどでもない、コーポレートサイトだけで十分と考えている企業も多くありますが、実際の費用ではなく企業活動は投資対効果ですので、コーポレートサイトを制作するメリットは中小企業でも十分あります。人手不足で困っている、採用できればもっと利益が上がるのに、と考えている企業は一度リクルートサイトを検討してもいいかもしれません。