担当者はホームページを作成したい、あるいは古くなった会社ホームページをリニューアルしたい、したほうが絶対に会社にとってメリットだ、と思っているのに、上長に理解を得られなかったり、稟議が厳しかったりしてすぐに進められないということはないでしょうか。
今回はそんな場合に稟議書に書くべき項目を簡単にまとめてみました。稟議を上げる際の参考にしていただければと思います。ホームページラボに制作や相談をいただく場合は稟議書作成のサポートも行なっております。
稟議書に書くにあたって記載すべき内容を以下にまとめてみました。それぞれについて項目ごとに解説していきます。
- 新規制作・リニューアルの経緯や目的
- 現状の課題
- 改善方法とその効果
- 制作会社紹介
- ページ構成と費用(費用対効果)
新規制作・リニューアルの経緯や目的
会社ごとに新規作成する場合やリニューアルする場合、その目的が異なると思いますが、これがホームページを制作する理由になりますので、ここで的外れな内容を記載していると上長に響きません。
弊社では多くの企業様のご相談を承っているなかでよくある経緯や目的をご紹介いたします。
上長に響きにくい記載例
・ホームページが古くなっているから新しくする必要がある
・古臭いのでおしゃれにしてイメージを伝えていきたい
・スマホ対応していないのでスマホ対応もしっかりしていきたい
こうした記載内容だと一見よさそうに見えますが響きづらいです。上長は今までホームページを変えてこなかったのですからホームページが古い、スマホ対応してないというのはすでに知っていることです。それでもそのホームページを変える必要はないと思っているので、これをそのまま書いても響きません。
そのさきの会社にとってのメリットまで記載する必要があります。例えば「スマホ対応する」こと自体はただのコストがかかる行為であって、スマホ対応した結果どうなるのか、どんな会社のメリットがあるのか、を記載する必要があります。
稟議書に書くべき記載例
– 採用を目的とした場合の例
・現在のホームページが古い(あるいは無い)ため、求職者にPRできていません。求職者のほとんどは企業サイトを一度確認します。求職者にとって、実際の企業がどうかよりもサイトのイメージが申込までの判断基準になります。また、サイト閲覧の7割程はスマホからの流入となっています。そのため、求人を強化するにはホームページのイメージを求職者が応募しやすいイメージにし、さらにスマホ対応も必須で行うことで求人を強化します。求人を獲得し人員を強化することで今回投資するホームページ制作費以上の利益が見込めます。
– 受注を目的とした場合の例
・現在のホームページが古い(あるいは無い)ため、見込み客にPRできていません。現状のホームページだと検索した際に上の方に表示されずそもそも見られません。また見られたとしても、他社との違いがわからず、明確に強みを打ち出している他社の方に問い合わせが流れている可能性が高いです。ホームページをリニューアルし、自社の事業内容やお客様が気になる情報をわかりやすく整理してサイトで掲載することで、弊社のサービスを求めるお客様に情報を届け、問い合わせや受注に繋げます。受注増加や顧客基盤を拡大することで今回投資するホームページ制作費以上の利益が見込めます。
現状の課題
現状の課題を明確化します。なんとなく見栄えが悪い、とかですと抽象度が高くなってしまい、説得力も下がってしまいます。上長を説得するには現在のホームページの課題を具体的に列挙していきます。特に
上長に響きにくい記載例
・ホームページが古く見づらい
・検索した時に上の方になく見つけられない
古く見づらくても内容がわかるんだからいいじゃないか、検索して上の方に来なくても別にいいじゃないか何が問題なんだ、となってしまします。その先に起きる会社にとってのデメリットまで記載する必要があります。
稟議書に書くべき記載例
・ホームページが古いため情報を適切に発信できておらず受注に繋がっていないためホームページからの年間の受注件数が0件となっている。
・検索した時に上の方になく、アクセス数が月間◯◯件しかなくそもそも見られていない。そのため本来獲得できるはずの問い合わせが0となっており、見込み客を逃している。
・当社が得意としている事業の説明がほとんどなく、発注側からしたら依頼できるのかわからない状態となっている。
改善方法とその効果
上記課題に対しての改善方法を明示します。一番重要な箇所になります。こちらも抽象度が高いと説得力に欠けるのでより具体的に記載します。効果や目標数値まで具体的に記載することが求められます。
上長に響きにくい記載例
・ホームページを新しくすることで情報を見やすく整理する
・スマホ対応することでより多くの人に見てもらう
上記の内容だと情報を見やすく整理したら売り上げにつながるのか、スマホ対応してもそんなに変わらないんじゃないか、と思ってしまいます。
稟議書に書くべき記載例
・ターゲットとなるお客様が欲しいと思える情報を過不足なく伝えることで、お問合せに繋げる。また、見る人が見たい情報を掲載し伝えることが検索順位対策にもつながるので、同時に検索した際の上位を狙うことができます。「〜というキーワードに対しての月間の検索ボリュームは00件程度あるので、その〜%程度を目標とし、〜件のアクセス数をまずは目標とします。〜件のアクセスに対してコンバージョン(問い合わせ)率は〜%程度を見込んでおり、月間で〜件程度の問い合わせを目標とします。さらに問い合わせに対して〜件程度の受注を目標とします。
当社の商品サービスの平均顧客単価は〜円で利益が〜円程度なので、
ホームページからの受注目標は年間〜件、売上ベースで〜円、利益ベースで〜円 を見込みます。
ホームページ制作予算が 〜円なので、1年以内の投資回収を見込んでいます。
会社によって内容は若干変わってくるとは思いますが、おおよそ上記のような内容を記載すればokです。採用目的の場合は効果数値を出すのが難しいと思われがちですが、採用の場合は採用が直接売上に繋がるケースがほとんどですので、
・サイト制作によって〜名の採用を目標にします。弊社の1人あたり売上は〜円程度なので、〜名の採用に〜円の売上向上に寄与します。
といったような訴求方法でいいかと思います。いずれにせよ、抽象度は高くなくより具体的に、さらに上に稟議を通すなら、いいとか悪いじゃなく投資対効果はどうなのかが全てです。
ページ構成と費用
サイトを制作する際に重要になるのがページ構成です。1ページものでいくのか複数ページで制作するのか、といったサイトのページ数や構成です。これによってかかってくる制作の費用も変わってきます。リニューアルしたい内容によって何ページがいいかは変わってきますので、ある程度まずご自身で検討してもいいですが、一度制作会社に相談して、提案を受けるようにしましょう。ページ構成とともに見積もりもでます。
ページ構成、サイトマップや、ページごとのコンテンツ(掲載内容)が具体的でかつどういった狙いでそのページ構成なのかなどの記載があれば、稟議も通しやすいものとなり、ただただ何の情報もない見積もりよりも説明がある方が予算にも納得感が出ます。
また繰り返しになってもいいので、今回かかる費用に対しての期待効果を記載するようにしましょう。どの程度の効果が期待されるかわからない場合は制作会社に相談してください。ホームページラボでは、弊社の制作させていただいたサイトで、常に検索順位1位でそこからの受注も多くあり、2〜3ヶ月でかかった費用分を回収したという例も多くあります。過去の実績から具体的で説得力のある数値を記載できます。
まとめ
以上、稟議書に記載すべきポイントをまとめてみました。上司や経営者は、費用対効果が最重要です。そこをいかに説得力を持たせて言及するかが重要です。弊社では稟議書の作成についても全くゼロのところからお手伝いさせていただくことも可能です。中小企業診断士という経営のプロが妥当な売上数値や利益計算などのアドバイスも無料で行っています。ホームページラボでは、発注前のご相談から無料で承っておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。それではまた次回。